限界。

ちえみさんを保護をして
11日目のある日。
(9月8日)

ちえみさんに突然、異変が起こりました。

「怖いけどご飯だけは食べたい」ちえみさんですが
その日は、朝ご飯は半分お残しし昼休みのおやつも食べないまま。

自ら排泄をしませんので、保護犬達の部屋へ抱えて行き
トイレを促そうと
少し離れた場所で見守っておりました。

呼吸は浅く目は虚ろ。
四肢は立つ事が出来ず、床に這いつくばり固まったまま。
度々、意識も飛んでしまう。

「あ、これはやばい方のヤツだ、、、」
とすぐさま感じ、仕事をほっぽりだして病院へ駆け込んだのでした。

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ウチの子、ピースのかかりつけ医ならば車で数十分。

バリケンの中に入れて、様子を見ながら向かいましたが
その間、ずっとぐったりしていて、意識が無いように見える。

受付で事情を話し、すぐに診ていただく事が出来ました。

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もうね、写真なんて撮っている場合じゃないからね。
この写真もこれからの写真も、すべてある程度落ち着いてからのもの。

診察台の上にバリケンから出したちえみさん。
支えが無ければ、首をぐにゃりと曲げて倒れこんでしまう。
先生も「やばい」状態だという事をすぐに感じたようです。

その前にまずちえみの尋常でない、人に対する恐怖心をお話し、
それならば「負担がなるべくかからないように」
と、より丁寧に診てくださいました。

やはり、一番に首の事を心配されていました。
次に子宮蓄膿症、子宮破裂。
鼠径ヘルニアの異常、諸々有るけれど、、、。

ちえみさんの今と未来の為にも
箇条書きですがつらつらと記録していきます。 
※この下におしっこの写真が出て来ます。


①一番心配だった環軸亜脱臼は否定
(この状態だとレントゲン中死亡する可能性が有る)
②エコーの結果、子宮蓄膿症、否定
③鼠径ヘルニア内、腸は飛び出している箇所が多いが
指で抑えると引っ込む事から緊急性は低い
(避妊手術の時に同時に処置してほしい)
④その他エコーで診ていただいた箇所
・肝臓
・両副腎のサイズ
・脾臓
・両腎臓
・心臓 ---全て明らかな異常は無し
⑤胆のう内に胆泥がやや多い

他に約一日出ていたなかったおしっこを抜いてもらい、、、

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濁っていますね~。
先生もわたしも一目見て、「あちゃ~」と声が出てしまいました。

尿の中に黒い粒のようなものが出ています。

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尿検査の結果はストルバイト。
こちらは療法食に変えて少しずつ治していきましょう。
合わせて尿管洗浄もしていただきました。

時間をかけて、色々な可能性をひとつずつ潰していくために
沢山の検査をしてくださいました。

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ですが、診察の結果から、特にこれが原因だ、
といったものは発見出来ず。。。

ちえみさんの今の状態から
「ショック状態から、全身に血液が循環しにくくなった為」
という診断でございました。

言い換えれば「ショック死寸前だった」。
それだけ(何も検査結果に出ていなくても)
危ない状態だったそうです。

だからといって、「ショック死」に対するこれといった治療法も無く、、、

しかし、血液の循環が滞ってしまっているので
応急処置として皮下点滴でステロイド(副作用の心配が極限に少ないもの)を
投与しました。

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本当は静脈注射で時間をかけて投与したいけれど、
それには入院が必要です。

この状態では入院中に命を落とす危険性もゼロでは無いので、
それならば家に帰って、何かあった時には近くにいたいと思い、
連れて帰る事にいたしました。

だけど、点滴が終わり、少し経つと、、、

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何だか少し、安心したお顔になったような。。。

このままうつらうつらとし始めましたが、
来院した時の危ない眠りとは違い、気分が少しだけでも
良くなったような眠りに入りそうでした。

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・・・

ちえみの毎日は
とてつもなく酷い場所で、痛みや苦痛に耐え、いつも空腹で
辛い事しか無かった日々でした。

しかし、彼女にとってはその狂った世界が
自分の「いつもの日常」で、他を知らないまま数年、
いつ終わるかわからない時間だけをただ過ごしてきました。

だけどそれが彼女の普通。
誰が見てもどんなに酷い事でも、ちえみはそれしか知らないのです。

まだ推定4才くらいの若いちえみが、こんなに心身ともに
ボロボロにされる世界。
本当に「狂った世界」だと思います。

保護をした8月28日から、ちえみにとってのこの数日間は
環境の変化と共に、怒涛の日々だったのでしょう。

そしてとうとう限界が来てしまった。
生きる気力が無くなってしまった。

だけど、エゴかもしれないけれど何とか生きて欲しい。
生きることを諦めないでほしい。
今まで助けられなかった数えきれない仲間たちの為にも。
そして自分の為にも。

あなたの生きる世界はこちらだよ。
愛情と慈しみに溢れる世界、美味しいものと気持ちいい風の香り。

そして出来たら、、、
家族を作ってあげられたら、、、

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今・・・。

倒れてから9日。
おかげさまで順調に回復して来ています。

病院でステロイドの点滴を打って、これで状態が良くなれば
一過性のものでしょう、という事でした。

表情もとても穏やかになって、四肢もしっかり。
只今のブームは、午前中の日向ぼっこ。

ご飯もいつも美味しく食べてくれています。
作り始めると自分からサークルから出て来てくれて
ソワソワ、楽しみにしているので、作り甲斐が有ります。

おしっこも自分のしたい時にサークルから出て来て
トイレまで行き、排泄してくれます。
寝たままの状態で垂れ流してしまっていた頃が今ではもう懐かしい。

まだまだ時間はかかると思いますが、ゆっくりのんびり
ちえみさんのペースに合わせて過ごしていきたいと思います。

「ちょっとだけ人間を信じてみようと思う、今日この頃」な
ちえみさんでした。。。


by rupakomama | 2017-09-18 00:03 | ちえみ

いつまでも赤ちゃんなピースと天使になったるぱん。ナツキとアリーナとワンダフルドックスの保護犬のお話。


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